裁定売り残高が1.7兆円まで拡大。投機筋の売り建てが積みあがる

 裁定買い残高だけでなく、裁定売り残高の推移も同時に見る必要があります。詳しい説明は割愛しますが、裁定売り残の変化に、投機筋(主に外国人)の日経平均先物「売り建て」の変化が表れています。売り建てが増えると裁定売り残が増え、売り建てが減ると裁定売り残が減ります。

日経平均と裁定売り残の推移:2018年1月4日~2020年3月17日(裁定売り残は2020年3月13日まで)

出所:東京証券取引所データに基づき楽天証券経済研究所が作成

 3月13日現在、裁定売り残高は、1.7兆円まで積みあがっています。投機筋が、日本株に弱気で、日経平均先物の売り建てを積み上げていることがわかります。

 注目すべきは、3月13日時点で裁定買い残高が2,427億円しかないのに、裁定売り残高が、1兆7,503億円まで増えていることです。売り残が買い残より1兆5,076億円も大きいのです。投機筋が、日経平均先物の空売りを積み上げていることがわかります。

 これはとても珍しいことです。通常は、裁定買い残高が裁定売り残高よりも1兆円以上大きいからです。投機筋は日本株にかなり弱気であることがわかります。