株は、短期は需給で動く

 日本株は、配当利回りや買収価値から見て割安で、長期投資で良い買い場を迎えていると判断しています。日本株は割安と判断する根拠は、以下のレポートを参照ください。
3月11日:日本株は割安、長期投資で「買い場」と判断する理由

 ただし、割安だから、これ以上、大きく下がらないというわけではありません。株は、短期は需給で動くからです。短期的に売りの勢いが強ければ、配当利回りや買収価値からいくら割安でも無視され、売り込まれます。

 短期的に日経平均がどこまで下がるか、需給、つまり売り手と買い手の力関係から判断しなければなりません。

下がったために、売らなければならなくなった投資主体が先に動く

 日経平均の急落局面で、主要な売り手と買い手は、以下のタイプが多いと言えます。

◆売り手:下がったために、売らなければならなくなった投資主体
◆買い手:下がったことで、割安になったと判断して買いを入れる投資主体


 今回のように、相場の下落スピードが速い場合は、下がったために売らなければならなくなった主体が、先に動きます。割安になったから買ってみようという投資家は、ゆっくり後から動きます。その結果、下がったから売る主体が、一通り売り終わるまで、下げの勢いは続きます。それが、まさに今、起こっていることと考えています。

 下がったために売らなくてはならなくなる投資主体とは、具体的に何でしょう? 過去の下落局面を例にとって、説明します。