売るのはどんな投資主体?これまでの下落では?

日経平均推移:2014年末~2016年末

 

 上は、2015年から2016年に、1年かけて日経平均が大きく下がった時のチャートです。4回の急落局面を含み、トータルで高値から安値まで28%下がりました。それぞれの急落局面で、「下がったために売らなければならなくなった資金」が動いています。一部推定も含め、説明します。

【1】日経平均2万円から1万8,000円割れまでの急落
マーケットのボラティリティ(変動性)が高まると売るアルゴリズムがセットされたファンドから、大量の売り。売りが一巡すると、いったん日経平均は急反発。

【2】日経平均2万円から1万7,000円までの急落
 再び、マーケットのボラティリティ上昇で売るファンドが動く。

【3】日経平均1万7,000円から1万5,000円までの急落
 日経平均リンク債のノックインが集中していた価格帯。ノックインするたびに、アンワインドのための日経平均先物売りが出る(詳しい説明は割愛)。

【4】再び、1万7,000円から1万5,000円までの急落
中東産油国の国家ファンドが、日本株を売り。原油価格の急落で、原油収入の減少に苦しむ中東産油国が、収入を補うために、原油を増産。ところが、原油増産で原油価格の下げが加速したため、打つ手がなくなり、保有していた日本株の売却に動いたと考えられる。

 以上が、2015~2016年の急落で、下がったために売らなければならなくなった資金の説明です。日経平均がそれだけで下がったわけではありませんが、下落を主導する「問答無用の売り手」であったことは間違いないと思われます。

 今回の急落でも、上記と同じような資金が動いている可能性はあります。ただし、実際にどういう売り手が動いているかはわかりません。あくまでも推定です。

 今回、中東産油国が日本株を売っているか売っていないか、私にはわかりません。当時と同じように、原油が急落しているので、売る可能性は否定できません。