投機筋の売りポジションが高水準

 それでは、いつ、売りの勢いは落ちるのでしょうか。誰にもわかりませんが、推測するためのデータはあります。裁定売り残高、買い残高の推移です。

 裁定残を見ると、現在は、投機筋の買いポジションはほとんど整理され、売りポジションが積みあがっている状態と推定されます(詳しい説明は、明日のレポートに記載)。ここから、先物主導で、さらに売り込まれるとは考えにくいところです。

 以上から、日経平均は、1万6,000円台で目先の底をつけ、その後、反発に転じると予想しています。

世界不況に金融危機が重なれば、日経平均は1万4,000円台への下落も

 リーマンショックと、コロナショックの違いは、何でしょう? リーマンショックの時、世界同時に景気後退に陥っただけでなく、欧米の金融機関を中心に信用不安が起こりました。つまり、金融危機と世界不況が同時に起こったのが、リーマンショックでした。

 コロナショックでは、とりあえず、現時点で金融危機は起こっていません。世界不況の可能性がきわめて高いだけです。ただし、予断は許しません。もし、世界経済が凍結した状態が長引けば、世界的に経営破綻が広がり、金融危機に発展する可能性もないとは言えません。そうなれば、日経平均はリーマンショックと同様、高値から4割安・1万4,000円台への下落もあり得ます。

 現時点で決め打ちはできません。コロナショックがどう推移していくか、しばらく事態の推移を見る必要があるかもしれません。