日経平均株価は大きく値下がりして底割れしました。底打ちを予想した個人投資家が軒並み撃沈しています。株価急落で大きな損失を被らないため、絶対に学んでおくべきことをお伝えします。
世界同時株安で日本株も底が見えない事態に
日本株の下落が止まりません。3月6日には、日経平均が大きく下落して3月2日の安値を割り込みました。個別銘柄の多くも昨年来安値を更新し、底なし沼の様相です。
実は筆者自身も、3月2日時点で9割方、底を打つと考えていました。それは騰落レシオや信用評価損益率など、テクニカル指標の多くが底打ちを示唆していたからです。
ところが実際は世界同時株安や円高がさらに進行し、3月6日にあっさりと底打ちを否定されました。
ここまで短期間に株価が急落すると、何も動くことができずに損失が広がることを眺めるしかできなかった個人投資家の方も多いと思います。でも、このような株価急落は長い株式投資人生の中で幾度となく訪れます。
そこで今回は、株価急落から個人投資家が絶対に学ぶべき心得をお伝えします。今後もこのコラムの内容を胸に刻み、投資を続けていただきたいと思います。
過去の事例と比較しない
新型コロナウイルスの影響が少しずつ出てきたころ、よく言われたのが過去にSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)が流行したときの株価の動きとの比較です。
SARSではそれほど株価下落は深刻ではなかった、だから新型コロナウイルスも同じような経過をたどるだろう、と考えた人は多かったようです。そのため、1月下旬の株価下落を買い向かうべきという意見が数多く聞かれたのは記憶に新しいところです。
しかし実際は、2月に入ってから強烈な下落となりました。結局、SARSやMERSのときとは異なる株価の動きとなったのです。
確かに過去の似た事例を持ち出して比較するのは間違いとは言いません。しかし、あくまでも類似しているだけであり、過去は過去、今回は今回です。
特に、過去の似た事例ではこの水準で下げ止まったから今回もそうなるだろうと、株価が下落を続ける中、逆張りで買い向かうのは、非常に危険であることをぜひ理解してください。