1カ月間でおよそ2倍。足元の原油相場の材料を確認
原油相場は、4月20日(月)にマイナス価格をつけた後、急反発し、5月上旬に20ドル台に回復しました。そして、そこから1カ月間上昇し続け、6月6日(土)、40ドル前後に達しました。
図:WTI原油先物価格(期近、日足、終値) 単位:ドル/バレル
この数カ月間の原油相場は、新型コロナウイルス起因の材料によって大局的な流れが生じ、OPECプラス(石油輸出国機構=OPECと、非加盟国で構成される組織)がそれに拍車をかけ、推移してきたと言えると思います。
2月後半から3月下旬、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な石油消費の減少が発生して、原油価格が下落していた最中、OPECプラスの総会が決裂して減産が終了し、下落に拍車がかかりました。
また、4月下旬から6月上旬は、先進国でのロックダウンや自粛の解除が進んだことで、経済活動再開・石油消費の回復期待が増大して原油価格が上昇していた最中、OPECプラスの減産強化期待が高まり、上昇に拍車がかかりました。
原油価格上昇時、ニュースで“OPECプラス”“減産強化”などの単語を目にすると、いかにもOPECプラスがその上昇を主導しているように見えますが、大局的な流れを作ったのは、OPECプラスではなく、新型コロナ起因の材料だったと言えると思います。
足元の、新型コロナ、OPECプラスを含んだ原油市場に関わる材料は、以下のようにまとめられると、筆者は考えています。
図:足元の原油相場の材料