削減量は拡大なのか?維持なのか?解釈が分かれる
このようにして、6月6日(土)に会合が前倒しで行われたわけですが、足元のさまざまな報道の多くは、この会合の最大のポイントは“減産強化”であるとしています。
協調減産の第1段階が7月まで1カ月延長されたことにより、7月の削減量が予定よりも多くなりました。
以下のとおり、もともと、現在行われている協調減産は、2020年5月から2022年4月までの2年間、実施し、削減量は段階的に縮小する設計になっています。
今回の6月6月(土)の会合で、日量970万バレルを削減する第1段階を“7月まで延長する”、ことが決まり、その結果、7月の削減量が当初の予定の日量770万バレルではなく、日量970万バレルとなりました。
図:2020年4月12日(日)に行われた第10回OPEC・非OPEC閣僚会議での合意事項
日量200万バレル、7月の削減量が増えたことが“減産強化”とされているわけです。確かにこの点は、“7月の”世界の石油の需給バランスを、予定よりも引き締める期待を大きくした、という意味で、原油相場にとっては強材料と言えます。
ただ、“強化した”というよりは、6月の削減量を“維持した”とも言え、かつ、その影響期間が7月のみのため、大きな強化とは言いにくいと感じます。