新型コロナは一時要因…のはず
世界的な株価急落は、経済の先行きへの不安のみならず、下げ相場の原因となった新型コロナ問題への不安を殊更に高めた面もあります。感染そのものへの恐怖より、人と物の動きが止まることへの不安が強く作用していることも特筆されます。
過去の事例から、そして、直近の中国の状況から判断して、新型コロナウイルスは永続的な問題ではなく、遠からずピークアウトするとの見方の妥当性が高いと言えます。中国では(公表データが正しければ)、感染者の8割ほどは症状がないか軽いまま回復し、新規感染者数の大幅減少(図1)を受け、すでに患者数も減りつつあります。感染収束が視野に入れば、経済も市場も落ち込んだ分の失地回復に向かうでしょう。
図1:S&P500で見る米株価の水準観
市場にとっては、感染収束までの期間が数週間か、数カ月かによって、それまでに経済が被るダメージの程度が焦点です。中央集権国家の中国と異なり、人も経済も強制的に封鎖して感染を封じ込めることが困難な西側自由主義国は、どれだけ速やかに効果的な対応をとれるのかが問われています。まずは、向こう2~4週間が感染者のピーク数をどう抑えられるかがヤマ場です。