日本株にこだわる必要があるのか問題

 自分には相場の先が見える第六感などないため、今回の下げも大丈夫! と言える根拠もなければ、新型肺炎にメディアが騒ぎ過ぎと言える知識もありません。気づけばスコーンと戻すかもしれませんし、そうじゃないかもしれない…。ただ、今回の下げは本当に異質だと思います。

 ここから2万円に接近するほど下がる可能性は低いのかな、と感じる根拠はあります。日銀ETF買いや自社株買いの下支え効果が確実に存在すること。そして、日本株に対して強気な個人投資家がそもそも極めて少ない状態で高値を付けていたため、株価下落に耐えられずにセリングクライマックスが発生することもない。だから、「やっぱり強かった米国株」に戻るかどうかを見てるだけでOK(200日線は見なくてOK)としか言えないわけですが…。

 とはいえ、「やっぱり強かった米国株」が実現した場合、だったら日本株を買う必要があるのか? というのが正直なところでもあります。実際、機関投資家の中には「株はリスク資産。その株で同じリスクをとるなら米国株でとる」という声が強くなっています。再び株が戻すのであれば、「米国株でいいのでは?」、これに対する異論は少ない状態です。

 日本株が優位になる要素、これを考えてもほとんど出てきませんが、日本株が負ける要素はいくつも思い浮かびます。消費増税の影響ですでに10-12月期のGDP(国内総生産)が急激に悪化。不景気の中の人材不足という過去にない社会問題、そこに加わった新型肺炎による訪日客激減や自粛ムードは1-3月期に直撃します。

 また、日本の新型肺炎対策は国内外で悪評が高く、東京五輪の開催に関する“不確実性”まで…。さらには、中国も機動的に対策を打っていますが、日本は財政面の追加対策も遅れそうなうえ、円安基調は保っていますので日銀の追加緩和も期待薄。

 こうなると、ざっくり見ても、下値は2万円くらいが限界、上値は奇跡のリバーサルが起きて2万4,000円が限界…これは、結局2018年以降のボックスレンジでは? くらいの大雑把な見立てしか立てられないんじゃないでしょうか。というのが、長々と書き連ねた結果の、“不確実性”満載な結論であります。