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『CES』は毎年開催される世界最大のデジタル技術の業界向け見本市です。昨年は世界中から約4,500社が出展し18万人が来場しました。今年1月に行われた『CES』2020では、Google、Amazonをはじめサムスン、ソニー、トヨタなどの大企業や小規模企業が世界から集い、各社の技術やビジョンをアピールしあいました。今年の注目は、AI、5G、モビリティ、VRやフードテックなどでした。

【ポイント1】テック業界の新たなトレンドを示す『CES』

『CES』は毎年初めに米ラスベガスで開催される、世界最大のデジタル技術の業界向け見本市です。以前は家電見本市(Consumer Electronics Show)の略称でしたが、近年はテレビなどのいわゆる「家電」の出展はごく一部となり、電子部品から自動車、ロボットや食品などあらゆる分野に対象が広がったため、『CES』が正式名称となりました。テック業界の新たなトレンドを示すものとして注目されています。

【ポイント2】IoTは「新たなIoT」へ

『CES』2020では、AI(人工知能)、5G(第5世代移動通信システム)、モビリティ(自動運転・運転支援、MaaS)、VR(仮想現実)やフードテックなどの技術が紹介され、ソニーの自動運転システムを搭載したコンセプトカーなどが注目されました。トヨタは、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「Woven City(ウーブン シティ)」を作ることを発表しました。

『CES』の主催団体であるCTA(全米民生技術協会)はメディア向けカンファレンスで、これまでの10年、IoT(Internet of Things)はインターネットとつながるモノでしたが、次の10年のIoTはAIや5Gとの更なる結びつきにより、IoT(Intelligence of Things)=インテリジェンスを持つモノとなり、あらゆる分野に大きな影響を与えると分析しています。

【今後の展開】5Gの本格展開とAIを中心とした「新たなIoT」に注目

 AIの更なる活用と、4Gから5Gへの移行が進展することによって、IoTが一層進化していくことが見込まれています。CTAは、米国市場では2022年までにスマホ市場の約3分の2が4Gから5Gに移行すると予測しており、5GとAIの今後の展開からは目が離せません。

 また、今年の『CES』では、世の関心の高まりを受けて、持続可能な社会のために、利益の追求だけでなく、企業の貢献や社会的な存在理由が一段と意識されました。気候変動への取り組み、労働力育成支援、情報セキュリティの促進、デジタルヘルスの浸透などが発表され、今後の進展が期待されています。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。