新型肺炎への警戒和らぎ、堅調な株式相場

 NYダウ平均株価は先週高値を更新し、新型肺炎の悲観論は後退している相場が続いています。1月下旬には新型肺炎の不安で1,000ドルあまり下落しましたが、過剰な警戒感は和らぎ、高値警戒感はあるものの強気一色となっています。

 株式相場が堅調なのは、好調な米国経済に加え、新型肺炎がSARS(重症急性呼吸器症候群)に比べて致死率が低い、感染者の伸びが鈍化している、治療薬の開発が進んでいるなどの報道が増え、不安を払拭(ふっしょく)していることが要因のようです。

 さらに、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が議会証言で、新型肺炎の影響は「新たなリスク」と指摘。新型肺炎の影響を綿密に監視する方針を述べたことから、いざとなったら、FRBが金融緩和で経済を支えてくれるだろうという期待と安心感もあるようです。

 ただ、議会証言では短期国債の購入による資金供給策を縮小する考えも表明し、その時期を7月ごろと示唆しました。金融市場では短期国債購入を「量的緩和第4弾」との受け止めもあったため、縮小規模や時期を巡ってマーケットが混乱するリスクも想定され、警戒する必要がありそうです。実際に縮小実行となれば、株式市場の圧迫材料となるかもしれません。