1月雇用統計の予想

 BLS(米労働省労働統計局)が2月7日に発表する1月の雇用統計は、失業率は3.5%で前月比横ばいですが、非農業部門雇用者数は+16.0万人と前月よりも増える見込み。平均労働賃金は前月比+0.3%、前年比+3.0%に上昇の予想です。

 今回の雇用統計でFRBが金融政策を変更することもないでしょう。クラリダFRB副議長は「FOMCは、インフレの兆候が表れる前に“失業率がどれだけ低下”するのか調査するつもりだ」と述べています。現在の金利水準が米経済の持続的拡大にとって適正であり、当面は利下げも利上げも不要との確信を強めることになりそうです。

米雇用市場は、今後も拡大するのか

 米中貿易交渉が1月に第一段階とはいえ決着して、特に米製造業の不安が薄れたことで、雇用市場は再び拡大ペースを強めていくのでしょうか。ただ現状では、好調な米経済にもかかわらず、雇用者は鈍化するだろうとの見方が増えています。

 米国で深刻な労働者不足が続いていることは事実です。ハワイに行くと、「店員募集」の張り紙が、あちこちの店のウインドウに貼ってあるのが目につきます。雇用ニーズが旺盛な状況なのに雇用が伸びないのは、労働市場がすでにピークに達してしまったからと考えられます。

 つまり「働きたい人と思っている人は、みんなもう仕事を見つけてしまった」ということです。そうであれば、米中貿易交渉が合意したからといっても、雇用者数が大幅に伸びることは期待できないかもしれません。今後の雇用統計でも、ここは大切なポイントになってくるでしょう。