ビフォー・アフターの改善

 リスク・リターンについてもう少し精密に前提条件を決めて、最適化計算(エクセルで十分できる)をすると、手続き的にも立派なアドバイスができそうだが、今回は大まかなアドバイスで考えてみる。

 筆者だと、次のように言うだろうか。

「個別株1銘柄はリスクが大きいので、著しく不利です。例えば国内株式のインデックスファンドにしたほうがいいと思います。

 毎月分配型の外債ファンドは全くだめなので即刻解約しましょう。個人向け国債にでもしておきましょうか。

 日本株のアクティブファンドは運用管理費用が高くてもったいないから、これも国内株式のインデックスファンドに入れ替えましょう。

 外国株のETF(上場投資信託)は大変いいと思います。そのままにしましょう。

 手始めに、リスク資産40%で、今よりももう少し保守的なポートフォリオにするといかがでしょうか。もちろん、もう少しリスクを取る余地があります」

 新しいポートフォリオの期待リターンは、国内株式のインデックスファンドの期待リターンを4.8%(5%から運用管理費用を0.2%引いた)とすると、1.92%になる(4.8×0.4+0×0.6=1.92)。リスクを計算すると、8%だ(20×0.2+20×0.2+0×0.6=8)。リターン、リスク共に相談前よりも改善する。