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広い土地は相続税が安くなる?「広大地」の基礎知識
足立 武志
知らなきゃ損する!今日から使える税金のキホン
難しくよくわからない「税金」。だれでもわかるように、知らないと損する情報を公認会計士・税理士かつ個人投資家がお届けします。

広い土地は相続税が安くなる?「広大地」の基礎知識

2017/9/22
・土地の評価には様々な特例がある
・広い土地は評価が大きく下がる?
・どんな土地が「広大地」の対象?
・広大地になる土地を安易に分筆して遺産分割すると大変なことに!
・あいまいな規定のためトラブルの温床にも
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 広い土地は相続税を計算する際の評価額が安くなる可能性があること、ご存知でしょうか?今回は、そんな「広大地」についての基礎知識と注意点についてまとめてみました。

土地の評価にはさまざまな特例がある

 相続で財産を受け継ぐ場合、いまだにその中心となるのが土地です。土地にはさまざまな権利関係が絡み合っているだけでなく、人々の生活の基盤であることも多いため、相続税の計算上、いろいろな規定や特例が設けられています。

 たとえばアパートやマンションの敷地として使われている土地は「貸家建付地(かしやたてつけち)」として評価額が下がります。また自宅の敷地として使われている土地に対しては「小規模宅地の特例」により、通常の評価額から最大で80%の減額をすることができます。

 今回ご紹介する「広大地(こうだいち)」もそんな規定の1つです。

広い土地は評価が大きく下がる?

 通常、広い土地を売ると、狭い土地を売るより1㎡当たりの単価が低くなります。これにはいくつかの理由が考えられますが、主なものとして

・大きい土地をまとまった金額で買うことのできる人が少ない
・自宅として使うには広すぎることが多いため売りにくい
・業者が買うときは、宅地分譲の際無償提供する必要のある新設道路の分だけ買取額を
  下 げてくる

といったことがあります。

 そのため、こうした現状を踏まえた評価をしてあげようというのが「広大地」の規定です。

どんな土地が「広大地」の対象?

 「広大地」の対象となる土地は、主に以下の要件を満たす土地です。

・面積が三大都市圏の場合500㎡以上、それ以外の場合1000㎡以上
・戸建て分譲に適した用地であること(マンションに適した用地などは不可)
・開発の際新たに道路の設置が必要となること(旗竿地での開発は不可)

 要件を満たした土地は、その面積に応じて通常の評価額から42.5%~65%の減額を受けることになっています。

 上記要件は主なものであり、これ以外の要件もあります。たとえば面積要件は自治体によって上記と異なることがあります。細かい注意点もいくつかありますが、簡単にまとめると「戸建ての開発に適した広い土地で、開発の際道路の設置が必要なもの」が広大地の対象となります。

 ですから、都心部の駅前など、その土地を買った業者がマンションを建設するような場所は広大地の対象にはなりません。
 一方、駅から徒歩15分以上離れていたり、郊外にある土地は広大地の対象となるケースが多くなってきます。

広大地になる土地を安易に分筆して遺産分割すると大変なことに!

 広大地の適用にあたっては、1つ十分に気を付けておかなければならない点があります。それは、広い土地を分筆して遺産分割をした結果、広大地の適用が受けられなくなるケースが生じるということです。

 たとえば、広大地の規定を満たす800㎡の土地があったとします。でも、もしこの土地を、2人の相続人が半分ずつ遺産分割するために400㎡ずつ2つに分筆してしまうと、広大地の規定を満たすことができなくなってしまうのです。

 一方、800㎡のまま分筆せず、2人の相続人で2分の1ずつ共有とすれば、広大地の規定を満たすことになります。

 1㎡当たりの単価が50万円なら、この土地に広大地の規定を適用するかしないかで、評価額が1億7,600万円も異なってきます。相続税率が50%なら、約9,000万円も税額が変わってくるのです。

 一般的には土地を共有で相続するのは好ましくありませんが、広大地に該当する場合は、あえて共有で相続することで相続税の額を大きく抑えられるケースが少なくありません。

 こうしたことは、広大地という相続税独特の規定をよく理解している専門家でないと判断を誤りかねません。ミスしたときの相続税額の影響が大きくなるのが広大地の規定です。広い土地を持っているときは何をするにも専門家の判断を仰いで慎重に行動するようにしてください。

あいまいな規定のためトラブルの温床にも

 実はこの広大地の規定、適用される要件が非常にあいまいなため、トラブルの温床になっています。
 マンション用地に適している土地かどうかも判断が難しいですし、宅地分譲した場合に新たに道路の設置が必要かどうかも納税者側と税務当局側とで頻繁に見解が食い違っています。中には裁判となっているケースも少なくありません。
 怖いのは、広大地の適用があるかないかで、何千万円、何億円という単位で相続税額が変わってくることです。そんな大きな影響を持つ規定の適用要件があいまいなのですから、私たち公認会計士・税理士としても非常にやっかいなものでした。

 こうしたこともあり、平成30年からは、広大地の規定が大きく変わることになっています。その内容と、それに伴い今年のうちにしておきたい対策について、次回のコラムにてお話しします。

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