本日の注目通貨

ドル/円:米12月雇用統計、悪い内容も好意的に解釈

 BLS(米労働省労働統計局)が1月10日に発表した12月の米雇用統計は弱い結果でした。失業率は前月と変わらず3.5%の低水準でしたが、NFP(非農業部門雇用者数)は+14.5万人にとどまり、さらに11月分は26.6万人から+25.6万人へ下方修正されました。また平均時給も伸び悩み。前月比は+0.1%(前回+0.3%)、前年比は+2.9%(前回+3.1%)で、2018年以来の鈍い上昇ペースでした。

 とはいえ、米国のリセッション入りを想起させるほどひどかったわけでない、というのがマーケットの解釈。非農業部門雇用者数の6ヵ月平均は+18.0万人で、FOMC(米連邦公開市場委員会)が「雇用市場の安定状態」と考える+11.5万人から+14.5万人よりはるかに上に位置しています。

 平均労働賃金の伸び鈍化についても、見方を変えると、FRB(米連邦準備制度理事会)がしばらく利上げに動けないという意味では株式市場にとってはむしろ良いニュースともいえます。

 けっして良い内容とはいえない雇用統計の結果を、無理やり好意的に解釈するのは、それだけマーケットがドル買い材料を求めているのだといえます。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成