年間の相場シナリオ予測には不可欠

 毎年、このコラムでは年初めに1年間の重要イベントの日程を取り上げています。1年間の相場シナリオを予測するためには押さえておきたい必須項目です。

 ここで言う1年間は、1月から12月のサイクルです。為替市場の主戦場は欧米市場であるため、12月決算が多い欧米の企業や、海外投資家と同じサイクルで考える必要があります。

 ただし、ドル/円の場合は、日本の企業決算の時期も考慮する必要があります。特に日本企業は3月決算が多いため、年度の終わりである3月や年度初めの4月には、決算に関わる為替の需給要因が加わることに留意しておく必要があります。

 重要イベントとは、相場へ瞬間的に影響を与えたり、中長期的に相場の先行きを方向付けるイベントのこと。選挙や国際会議を中心とした政治イベントの他、経済イベントがあります。

 経済イベントで特に重視するのが、為替相場を中長期的に大きく左右する中央銀行の金融政策の決定や、その金融政策を左右するGDP(国内総生産)やCPI(消費者物価指数)、米雇用統計の経済指標の公表です。

 政治・経済日程は、例年、年末年始に新聞や雑誌に特集が組まれるくらい注目度が高いもの。ぜひチェックしましょう。また経済指標の公表日は、各国政府の管轄部署のウェブサイトや中央銀行のウェブサイトから確認することができます。

 これら政治・経済イベントの日程を押さえながら、そのリスク度合いや影響度合いを考慮して、年間の相場シナリオを考えていく必要があります。