特に重要な政治イベントは?
では、その中でも今年の注目点を挙げます。
1:米大統領選挙
なんといっても米大統領選挙です。
トランプ米大統領が圧倒的に有利ではなく、再選のためには予想外の行動を取る可能性があります。年始からのイランへの攻撃もその一例です。株安やドル安に見舞われた投資家は動きづらく、慎重になることが予想されます。
今後も11月まではトランプ大統領の予想外の行動を警戒する必要があり、投資家の慎重姿勢は続く可能性があります。昨年のドル/円は狭いレンジでしたが、今年もその傾向が続く可能性があるかもしれません。
2:米中貿易協議
米中貿易協議は今年も政治リスクとなりそうです。
1月15日に第1段階の部分合意の署名が行われますが、トランプ大統領はすぐに第2段階の交渉に入ると明言しています。大統領選挙で思う通りにいかない場合、強硬姿勢に出てくる可能性もあるため、警戒を続ける必要があります。
3:ブレグジット
英国は1月31日にEUを離脱します。離脱移行期間が終了する12月末までに、ジョンソン首相はEUとの自由貿易協定を締結すると明言していますが、事務的に困難との見方が大勢です。
もし、EUとの協定が結べない場合、合意なき離脱と同じような状況となり、経済は相当混乱することが予想されます。英国だけでなくEUに対しても影響が大きいようです。
移行期間の延長は可能ですが、延長申請の期限は6月末です。ジョンソン首相は延長しない方針のため、6月後半の動きに注目です。
4:世界中で重要選挙
今年は米大統領選挙を筆頭に選挙の多い年です。
1月の台湾総統選、2月のイラン国会議員選挙、3月のイスラエル総選挙、フランス地方選挙第1回投票、4月の韓国総選挙、5月のポーランド大統領選挙、イタリア統一地方選挙と2020年前半に重要な選挙が続きます。
イラン国会議員選挙は対米強硬派が躍進するとの見方があり、中東情勢がより緊迫する可能性があります。また、欧州政局はフランスとイタリアの地方選挙の結果次第では、ポピュリズムの勢いが増し、より不安定になってくる可能性があるため注目です。
5:日本の重要イベント
6月末に消費税増税対策のポイント還元が終了します。ポイント還元終了によって消費行動が変わり、景気にとってマイナス要因になるかどうか。このマイナス影響が出た場合、7月24日からの東京五輪、8月25日からの東京パラリンピックによる観光特需で、補えるかどうかに注目です。
6:北朝鮮や中東の地政学リスク
北朝鮮や中東の地政学リスクは常に注意してみておく必要があります。中東情勢は昨年よりも緊迫してくる可能性があり、原油は高止まりする可能性があります。原油高はコスト高につながり、世界経済にとってはマイナス要因となります。ただ、需要が強くないため極端な原油高はないかもしれません。