SUMCO
1)2019年12月期3Qは14%減収、61%営業減益
SUMCOの2019年12月期3Q(2019年7-9月期)は、売上高720億2,400万円(前年比13.7%減)、営業利益89億1,600万円(同61.3%減)となりました。
今3Qは、300mmウェハのロジック向けが堅調でした。ロジック向けは今1Qに一度落ち込みましたが、スマートフォンやパソコン用CPUの生産回復に伴い今2Qに回復しました。
一方、300mmウェハのメモリ向けは、今2Qから減少し始め、今3Qも減少が続きました。また、200/150mmも自動車向け、産業用が悪化しています。台湾の合弁会社で連結子会社のFSTも今3Q(2019年7-9月期)は43.7%減収、82.3%営業減益となりました。その結果、SUMCO連結では今2Qに続き大幅減益となりました。
なお、SUMCOは2019年上期に月産11万枚(推定増強率5~10%)の設備増強を行いましたが、この分の受注が全部は取れていないもようです。
表7 SUMCOの業績
グラフ4 FORMOSA SUMCO TECHNOLOGYの四半期業績
2)来期は増益転換か
今4QはSUMCO本体で定期修理があるためウェハ生産が減少する見込みです。そのため、業績は今3Qから更に落ち込むと予想されます。会社側では2019年12月期業績を、売上高2,975億円(前年比8.5%減)、営業利益494億円(同42.0%減)と予想しています。
ただし、前述のようにFSTの業績に回復感が見られます。これを考慮して楽天証券では今期予想を売上高3,000億円(同7.7%減)、営業利益500億円(同41.3%減)と予想します。
来期2020年12月期は業績回復が予想されます。300mmウェハのロジック向けの増加が続き、(会社側は2020年後半と言っていますが)2020年前半にもメモリ向けが回復する可能性があります。200/150mmには当面回復期待は持てそうにありませんが、300mmの回復と長期契約価格の小幅上昇によって、2020年12月期は増益転換が予想されます。楽天証券では2020年12月期業績を売上高3,150億円(同5.0%増)、営業利益600億円(同20.0%増)と予想します。
今後6~12カ月間の目標株価を2,500円とします。2020年12月期楽天証券予想EPS133.0円に想定PER15~20倍を当てはめました。投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄:信越化学工業(4063)、SUMCO(3436)