キーワード6:業績拡大継続

 上場企業の上半期経常利益は前年同期比で1桁台後半のマイナス成長であったとみられます。特に、製造業では通期予想の下方修正を発表する企業も多かった印象です。

 主に米中の貿易摩擦問題を背景とした最終需要の落ち込みなどが利益悪化の背景となります。こうした状況の中でも着実に増収増益を続けている企業は、折に触れて評価の高まる場面がありそうです。

 4~5月の通期決算発表のタイミングでは、業績悪化で売られた銘柄の業績回復にスポットが当たるでしょうが、その前の第3四半期決算発表のタイミングなどで注目度が高まるものと想定します。

【注目銘柄】アルプス技研(4641)配当利回り3.52%

 2019年12月期は6期連続での増収営業増益となる見通しです。技術者派遣の大手企業として、企業のアウトソーシング需要の拡大を着実に捉える状況となっています。

 自動車向けが中心になっていますが、同業界は自動車の電動化や自動運転化といった変革期に差し掛かっているので、当面は高水準の人材確保が必須といえます。当面の業績リスクは乏しいと言えるでしょう。増配傾向が続いていることも妙味になります。

キーワード7:新興市場

 日経平均と東証マザーズ指数の騰落率を見ると、2019年はここまで日経平均の2割超上昇に対してマザーズ指数は7%の上昇、2018年は日経平均の2割弱の下落に対して3割超の下落となっています。

 指数インパクトが特定銘柄に偏りがちとはいえ、新興市場銘柄の中長期的な出遅れ感は強いと捉えられ、2020年にはその反動が強まる可能性もあるでしょう。

 一般的に新興市場銘柄は配当よりも収益成長に関心が偏重していますが、今後は高配当利回り銘柄への関心が高まっていく余地もあると考えます。

【注目銘柄】夢真ホールディングス(2362)配当利回り3.89%

 建設現場における施工管理技術者派遣が主力事業となっています。

 現在、建設関連業界では施工管理者不足が深刻な問題となっており、同社へのニーズは非常に強まる方向と考えられます。また、建設現場での外国人労働者の増加傾向は今後も強まるものとみられ、管理技術者派遣で大手の同社にはより重要性が高まっていくでしょう。