キーワード3:東京五輪
2020年7月24日から8月9日までの17日間の日程で、東京で五輪が開催されます。
東京五輪に関連する大規模施設の整備、海外訪日客の増加、五輪関連消費の拡大、スポーツ人口の増加などによる様々な波及効果が期待され、それによるメリットを受ける企業も多くなるとみられます。
ただ、施設建築や交通網整備などインフラに関連する需要はすでに表面化してしまっているので、関連銘柄において注目されるのは、五輪直前、あるいは期間中に需要が表面化して、業績上振れに直結する銘柄であるといえます。
広告宣伝、警備、TVやデジタルカメラといった小売り関連などが対象になりそうです。
【注目銘柄】スペース(9622)配当利回り4.11%
商業施設などのディスプレー企画・設計会社です。五輪開催に向けて、首都圏中心にディスプレー需要は大幅な拡大が予想されます。
同社は全国展開をしていますがあくまで地盤は名古屋であり、直接的なメリットは限定的かもしれませんが、東京市場での需要切迫に伴って全国的にディスプレーの採算は向上していく可能性があります。
配当性向50%を目標にしているため、利益の増加は増配につながることも妙味になります。
キーワード4:注目テーマ(5G、AI、自動運転車など)
株式市場における手掛かり材料が乏しいときや市場に閉塞感が強まっているときなど、テーマ物色の動きが活発になりやすく、これは2020年の相場でも同様でしょう。
現在注目されやすいテーマとしては、5G、全固体電池、AI(人工知能)、ネットセキュリティ、教育ICT、セルロースナノファイバー、国土強靭化、自動運転車、EV(電気自動車)などが挙げられます。
一方、テーマ物色には廃りも多く、仮想通貨やブロックチェーン、ソーシャルゲームなどは依然と比べて関心が高まりにくくなっています。
中長期という観点からすると、市場拡大の実現性が高く、実際に業績への寄与が見ている銘柄のリスクが小さいと言えるでしょう。
【注目銘柄】宇部興産(4208)配当利回り3.67%
京セラと5G通信基地局用のセラミックフィルタ事業の拡大を目指して合弁会社を設立しました。今後の基地局普及が見込まれる中で、活躍余地が広がっていきそうです。
また、リチウムイオン電池セパレータでは自動車用で世界シェア1割を握るとされており、マクセルと合弁展開も行っています。
5G、電気自動車と市場で注目される2つのテーマでの展開力を評価する余地は大きいと考えられます。
キーワード5:リバウンド期待
リターンリバーサル(これまで買われていた銘柄が売られて、売られていた銘柄が買われる動き)の流れもたびたび注目されます。
2019年の日経平均は年初から約20%の上昇となっていますが、上場銘柄の4分の1はマイナスパフォーマンスとなっています。
今後訪れるリターンリバーサル相場の際には、これらの銘柄が物色対象となりますが、その前に一段安となるリスクも考慮すれば、高配当利回り銘柄などは利回り水準が下支え効果になるため、相対的に下振れリスクが小さいと言えるでしょう。
なお、構造的な不況事業に陥っていないかなど見極める必要性はあります。
【注目銘柄】コニカミノルタ(4902)配当利回り4.15%
第1四半期の決算発表を受けて株価は急落し、その後の戻りも乏しく、現在も安値圏での推移が続いています。
ただ、2020年3月期業績大幅悪化の一因としては、新製品の生産混乱、新規事業の立ち上げ負担、構造改革費用など一過性の影響も大きく、2021年3月期は大幅な収益回復が期待できます。
英国のEU離脱に関する不透明感の後退で、対ユーロで円安が進みそうなこともプラスに効いてきそうです。