米中追加関税発動なら、2020年は悲観的シナリオ
米中通商協議は、毎日のように米中双方からの協議見通しがコロコロ変わるため、15日の結果を見るまでは分かりません。
最悪のシナリオは15日までに合意できず追加関税発動となることですが、その場合、マーケットは売りで反応するだけでなく、景気回復期待が後退して、来年の景気見通しにも悲観的な見方が増えてくることが予想されます。これはそうなってほしくないシナリオです。
もし、米中が合意し、追加関税見送りとなれば、来年への期待も膨らみ、マーケットにはプラス材料ですが、最近の米国の動きを見ていると先行きの不透明感を完全に払拭できないことから、マーケットは素直に喜べない可能性があります。なぜなら、米国の対中交渉は通商から、技術覇権、人権へと拡大しているため、長期化する可能性が高いとの見方が高まっているからです。先行きの不透明感の方が強くなれば、このままクリスマス相場になるかもしれません。
香港や中南米、フランス、イランの反政府デモも年を跨(また)ぎそうであり、米中関係だけでも最悪のシナリオを避けてほしいものです。合意はできなくても協議継続となり、追加関税先延ばしとなれば、先行きの不透明感は残りますが、マーケットに一時的に安心感を与えてくれそうです。
15日までは嵐の前の静けさが続きそうです。そして15日は日曜日のため、週明け16日(月)早朝のシドニー・東京市場から影響を受けることが予想されるため、注意する必要があります。