日経平均・NYダウ好調の一方、上海総合指数の弱さが目立つ

 最後に日・米・中の株価指数の動向についても確認していきたいと思います。

■(図4)日・米・中の株価指数の動き(2019年11月29日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図4は、日経平均・NYダウ平均株価・上海総合指数の推移を示したものです。米中摩擦が本格化したのは2018年の春先頃からのため、2017年末を100としています。

 史上最高値を更新しているNYダウ、年初来高値を更新している日経平均の一方で、上海総合指数は今年4月以降の戻り高値が切り下がっていて、3指数に温度差があることが分かります。米中間の景況感の違いや香港情勢の影響による買いにくさもあって、上海総合指数の弱さが目立っている印象です。

 このまま順調に米中「第1段階の合意」が成立すれば、直後の株価は3指数ともに上昇に勢いがつくことが予想されますが、中国の景況感が改善していくには実際に悪影響が出ている「対中制裁関税第1~3弾」についてどこまで緩和できるかがカギを握っていることや、「第2段階以降の合意」に向けた進捗が次の焦点になることが予想されるため、第1段階の合意成立による株価上昇の賞味期限は思っていたよりも短いかもしれないということは意識しておいた方が良いかもしれません。