民法上、養子も実子と同じ権利を持つことに

 養子縁組とは、血縁関係のない人に対して親子関係を発生させることであり、子のいない夫婦や跡継ぎとなる子がいない場合などによく利用されます。養子縁組で養子を1人増やすと、民法上、養子も実子と同じ権利を持つことになり、法定相続人にも含まれることになります。

 法定相続人が増えればその分基礎控除額も上がるので、結果的に、税額が減少する可能性があります。ただし、相続税法上で法定相続人になれる養子は、被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までと決められています。養子に迎える側と養子に入る側(本人が15歳未満の場合は代理人、多くは実親)の合意があれば、「養子縁組届」を役所に提出することで成立します。

 相続における養子縁組では、相続させたい人間を法定相続人にして遺産を相続する権利を与えるために利用されます。たとえば、老後に一生懸命世話をしてくれた長男の嫁などは本来法定相続人にはならないので遺産を相続する権利はありませんが、養子にすることで実子と同じように遺産を分割させることができるようになります。