配偶者に偏った遺産分割は「二次相続」で苦しくなる!?

 相続税には配偶者の税額軽減があります。これは、配偶者が相続した正味の財産が法定相続分以内であれば税金がかからないとするものです。また、たとえ法定相続分を超えて相続しても、1億6000万円までは税金がかかりません。たとえば2億円の相続財産を配偶者と子1人で相続する場合、配偶者の法定相続分は1/2の1億円となりますが、1億6000万円までは非課税で相続することが可能です。

 反対に5億円の相続財産を配偶者と子1人で相続する場合、配偶者の法定相続分は1/2の2億5000万円までが非課税で相続できます。1億6000万円を超えていますが、法定相続分までは控除となるためです。

 配偶者の税額軽減では非課税となる金額が大きいのが特徴ですが、配偶者に偏った遺産分割をしてしまうと、その配偶者が亡くなった時の二次相続で子にかかる相続税負担が大きくなる危険性があります。被相続人には二次相続のことも踏まえて分割方法を考えてもらったほうが良いでしょう。

(大久保 栄吾/税理士法人大久保会計 税理士)

※この記事は2016年3月11日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。

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