米国株上昇が国内株のさえないサインを吹き飛ばせるかが焦点に

 また、平均足とMACDの組み合わせを見ても、トレンド転換の条件とされる「平均足の陰転」と「MACDのクロス」の二つが出現しています(下の図2)。

■(図2)日経平均(日足)の平均足とMACDの動き(2019年11月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 そのため、先週末時点のチャートだけで判断すれば、日経平均は良い形で終えたとは言えず、下方向への意識が強まりやすくなっていると考えられます。

 とはいえ、先週の相場環境は、状況の悪化が懸念される香港市場が大きく下落したり、さえない経済指標が発表された中国で景気減速懸念が高まったりと、必ずしも良好ではなかったことを踏まえると、相場の地合いは堅調さを保っていたと見ることもできます。

 さらに、冒頭でも触れた通り、米中関係の改善期待を背景に米国株市場が最高値を更新してきました。こうした米国株上昇の流れが国内株市場のさえないテクニカル分析のサインを吹き飛ばせるかが今週の焦点になりそうです。

 したがって、今週の日経平均の値動きの想定はこれまで通り、エンベロープが意識されることになりそうです(下の図3)。

■(図3)日経平均(日足)のエンベロープ(25日MA基準)(2019年11月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週の値動きで日経平均は+3%を下抜けてしまいましたが、再び+3%を超えていくのか、それとも25日移動平均線の方向に向かっていくのかが注目されます。また、+6%のラインは2万4,000円台の位置にありますので、強気に傾いた際の一段高も考慮しておく必要があるかもしれません。