10月以降、外国人の買いによって日経平均が上昇

 10月以降、日経平均は順調に上昇が続いています。節目と考えられていた2万2,000円、2万3,000円もあっさり超えました。この上昇をけん引しているのは、いつも通り、外国人です。

 外国人から見ると、日本株は「世界景気敏感株」です。製造業・輸出産業の比率が高く、世界景気の影響を受けやすいことを、外国人は理解しています。昨年10月以降、世界景気に不安が増えてきたことに伴い、外国人は、日本株を売ってきました。

 ところが、足元NYダウが最高値を更新するなど、世界景気への悲観がやや薄れつつあります。来年には、5G(第5世代移動体通信)や半導体への投資が盛り上がり、世界景気が回復に向かうという見方も出ています。

 こうした変化を反映し、外国人は世界景気敏感株である日本株を少し買い戻し始めているのだと思います。

 ただ、10月からの外国人買いは、まだ「日本株を積極的に評価した買い」とは言えないと思います。世界景気への不安が完全に払拭されたわけではないからです。

 現時点では、日本株の組入比率を極端に低くしていた海外ファンドが、少し日本株を買い戻しただけと思います。あるいは、日経平均先物を空売りしていた海外投機筋が、先物を買い戻したのだと思います。

 つまり、日本株に「非常に弱気」だった外国人が、日本株に「やや弱気」に転じただけと思います。