「裁定買い」が日経平均を押し上げ

 日経平均の上昇には、需給要因とファンダメンタルズ(景気・企業業績)要因の2つが絡んでいます。

 ファンダメンタルズ面では、来年4月くらいから世界景気回復が見込まれるようになったことが好感されています。経験則では、株は、景気循環を半年~1年先取りして動くので、来年4月から景気回復と考えるならば、今年の秋から世界的に株が上昇しているのは納得がいきます。

 来年、5G(第5世代移動体通信)、半導体の投資が世界的に盛り上がる見込みです。また、米中貿易戦争が一時休戦となれば、中国で人為的に押さえられている設備投資が復活し、世界的な景気回復につながると考えています。

 秋からの日経平均上昇には、需給要因も関与しています。投機筋(主に外国人)の日経平均先物の空売りポジションが高水準に蓄積しており、日経平均の上昇が続く中で、損失確定の買い戻しを迫られている可能性があります。投機筋の日経平均先物買い戻しが、裁定買いを誘い、日経平均上昇につながっています。先週の日経平均上昇は、空売り筋の先物買い戻しが大きく影響したと考えています。