今までうまく行ったから今後もうまく行くとは限らない

 いわゆる「アベノミクス相場」は2012年11月からスタートしています。7年もの間、日本株は長期的な上昇相場が続いていることになります。

 実はバブル崩壊から30年の間、ここまで長い期間上昇相場が続いたことはありません。

 一方、2008年のリーマン・ショックから10年を経過し、リーマン・ショック自体を経験していない、投資経験の浅い個人投資家が増えています。

 アベノミクス相場しか知らない、つまり上昇相場しか経験していない個人投資家もかなり多くなっています。

 上昇相場では、決算発表後に急落したとしても我慢して持ち株を保有し続ければ株価は回復してくれるケースが多いです。

 そのため、「決算発表で株価が下がっても持ち続けていれば大丈夫だ」と自然に思ってしまいます。

 でも、それは今が上昇相場だからだということに、ぜひ気づいていただきたいのです。個別銘柄の株価チャートを見ていただければ一目瞭然で、アベノミクス相場がスタートしてからと、それより前では株価の動きが大きく異なっていることが誰の目にも明らかです。

 決算発表による急落で保有株を保有し続ける方は「そのうち戻るよ」と考える楽観的な方、保有株を売却する方は「さらに大きく下落したらまずい」と考える悲観的な方です。

 筆者個人的には、株式投資で大失敗をしないのは悲観的なタイプだと考えています。もし急落した保有株を売却した後再度上昇に転じたら買い直せばよいですが、急落した保有株を持ち続けた結果さらに大きく下落したら、なす術がありません。

 株式投資ではいかに大失敗を避けるかが非常に重要です。その観点から物事を考えていくと、どのような行動をとるべきかが自ずと見えてくるはずです。