アミューズ

2020年3月期1Qは11%増収、営業利益2倍

 アミューズは、芸能プロダクションの大手で音楽に強いことが特徴です。近年はドラマ、演劇にも注力しています。

 2020年3月期1Qは、売上高177億6,400万円(前年比11.2%増)、営業利益29億8,800万円(同2.0倍)となりました。

 2019年3月末から6月にかけて行った「サザンオールスターズ」全国ツアーや「SEKAI NO OWARI」のツアーが好調でした。「サザン」はチケットだけでなく、グッズ販売(Tシャツ、タオルなど)も好調でした。他のアーティストも全般的にグッズがよく売れており、ライブの採算向上に寄与しているもようです。

 また、俳優では「安田顕」「賀来賢人」「吉沢亮」「三浦春馬」など、女優では「茅島みずき」「清原果耶」などが映画、ドラマへの出演によって人気が出た結果、採算の良いCM出演が増えており、これが業績に寄与するようになりました。

表3 アミューズの業績

株価    2,841円(2019/10/17)
発行済み株数    17,302千株
時価総額    49,155百万円(2019/10/17)
単位:百万円、円    
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:発行済み株数は自己株式を除いたもの。    
注2:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。

会社側は2020年3月期業績予想を上方修正した

 今1Qの好調な結果を見て、会社側は2020年3月期通期業績予想を上方修正しました。期初会社予想は売上高502億6,000万円(前年比8.9%減)、営業利益36億1,000万円(同19.4%減)でしたが、これが売上高535億円(同3.0%減)、営業利益43億4,000万円(同3.1%減)に上方修正されました。

 ライブが好調で、今1Qだけでなく、今2Q以降も盛り上がりが予想されます。今2Qは「ポルノグラフィティ」「SEKAI NO OWARI」「BABYMETAL」のライブが、今下期は「ONE OK ROCK」「Perfume」「福山雅治」のライブが予定されています。

 会社側が注力している演劇では、「柚希礼音」「ソニン」主演の「Factory Girls~私が描く物語~」が9~10月に上演されており、成功裏に推移しています。

 また、今2Q以降も、今1Q同様グッズ売上やCM出演料が業績に貢献すると予想されます。

 このため、楽天証券では、会社予想は再度上方修正される可能性があると考えています。楽天証券の今期業績予想は、売上高545億円(前年比1.2%減)、営業利益46億円(同2.7%増)です。小幅ながら営業増益になると予想します。

2021年3月期も堅調な業績が予想される

 2021年3月期を展望すると、前述したように、東京オリンピック開催に先立って2020年4-6月期には首都圏のライブ開催数が減少し、同7-9月期は首都圏ではライブがほぼ開催されなくなると予想されます。ただし、2020年10月以降はライブの開催ラッシュになると予想されます。また、来上期はオリンピック関連の各種イベントが予想されるため、タレントの出番はある程度増えると思われます。そのため、楽天証券では来期業績を、売上高550億円(前年比0.9%増)、営業利益46億円(同0.0%増)と予想します。

 今後6~12カ月の目標株価を3,500円とします。2020年3月期楽天証券予想EPS161.3円に想定PER20~25倍を当てはめました。投資妙味を感じます。

本レポートに掲載した銘柄:ヒビノ(2469)アミューズ(4301)