米中協議は部分合意で、貿易戦争激化は回避

 世界中が注目していた米中通商協議は、10月15日に予定されていた対中制裁関税引き上げの見送りや農産物の購入拡大などの部分合意によって貿易戦争の激化する事態はひとまず回避されました。

 "Buy the rumor, Sell the fact."という相場格言があります。「噂で買って、事実で売る」という意味です。例えば、ドル/円で経済指標発表を控えている場合、期待や予想(噂)によってドルが買われ、その通りの強い数字が出ると、その事実が出たことを契機に、既に買っていたドルを売るという行動が多く見られます。

 このように、投資家は何事も事前に行動する習性があるため、相場も事前に動きやすいということになります。しかし、実際に事実が出たときには、事前に行動を起こしているため、逆の方向に動くことになります。このような動きについて「材料出尽くし」「相場に織り込み済み」という表現で説明されています。

 これまでの相場は、トランプ米大統領のツイッターによって期待が膨らみ、上昇しました。ここから、" Buy the twitter, Sell the fact.(ツイッターで買って、事実で売る)"となりますが、米中通商協議で部分合意が決まったという事実の後に、相場は下落していません。おそらく、部分合意では先行きの視界は晴れないとの見方に加え、事前の買いも力不足だったことから、事実が出た後の売りも力不足だったのではないかと推測されます。