IMFの経済見通しは5回連続下方修正

 今後の相場の焦点としては、米中通商協議は部分合意とはいえ、短期的に材料が出尽くしたことから、景気動向や、今週から発表される米企業の四半期決算、シリア、トルコの中東地政学リスクに移ることが予想されます。

 10月15日、IMF(国際通貨基金)は3カ月に一度の経済見通しを発表しました。

 2019年の世界全体の経済成長率を前年比3.0%とし、7月時点の予想から0.2%下方修正しました。この水準は、リーマン・ショックの影響でマイナス成長だった2009年以来、10年ぶりの低水準。下方修正は2018年10月以降、5回連続の引き下げとなっています。米中貿易摩擦の悪影響が世界全体に及んでいるとし、景況感や投資判断が打撃を受けていると分析しています。下表の通り、日本は横ばいですが欧米、中国の成長見通しは引き下げています。

表:IMF 世界経済見通し(2019年10月時点)

単位:%
注:( )内は7月時点からの修正幅、2019年10月時点
出所:IMFデータより著者作成