「裁定買い残」は5,067億円まで低下、「裁定売り残」は1兆6,575億円に増加。投機筋の買いが整理され、売りが積み上がった状態

 私がファンドマネージャー時代に、日経平均先物のトレーディングをする上で、重視していた需給指標に、「裁定買い残」があります。10月4日時点の裁定残高データを見ると、日本株は「売られ過ぎ」と判断できます。

 詳しい説明は割愛しますが、裁定買い残の変化に、外国人による投機的な先物売買の変化が表れます。

 外国人が先物を買うと、日経平均が上昇し、(裁定取引を通じて)裁定買い残が増加します。外国人が先物を売ると、日経平均が下落、(裁定解消売りを通じて)裁定買い残が減少します。

 近年の日経平均および裁定買い残は、以下のように推移しています。

<日経平均と裁定買い残の推移:2007年1月4日~2019年10月15日(裁定買い残は2019年10月4日まで)>

出所:東京証券取引所データに基づき楽天証券経済研究所が作成