ローン金利の高い物件から繰り上げ返済を

 シミュレーションのプラン条件としましては、35歳、年収800万円のサラリーマンが、初期費用300万円で「物件価格2250万円」「家賃9万7000円」「管理費・修繕積立金合計1万円」「ローン額2150万円」「金利1.85%」「期間35年」で物件A〜Cを、残りの物件D・Eを金利2%中盤の金利で購入してマンション経営をスタートした場合になります。

 まずは、年間100万円の自己資金と毎月入ってくるキャッシュフロー(毎月の収入から費用を引いた手元に残るお金)を繰り上げ返済費用に充当し、毎月のローン返済を減らし、キャッシュフローを増やすことから始めましょう。

 繰り上げ返済の優先順位は、後に購入した金利の高い物件になります。なぜなら、その方が、繰り上げ返済に対しての費用対効果は高くなるからです。そうすると11年目に4件目に購入した物件を完済できるようになります。

 次に返済するのは5戸目に購入した物件です。この物件は17年目に完済。繰り上げ返済が進むことによって、毎月のキャッシュフローも増え、繰り上げ返済のペースもあがり完済の期間も短くなります。これを繰り返すことによって、24年目ですべての物件を完済でき、35歳のサラリーマンが、59歳の時に年間家賃収入500万円という仕組みを得ることが可能です。

 例えば、このオーナーは59歳から80歳まで21年間に年間500万円の家賃収入を確保できれば、1億500万円の収入をトータルで得られます。1割の家賃下落を考慮し、年間450万円の家賃収入がある場合は、80歳までの21年間で9450万円の通算家賃収入を得ることができるでしょう。

 このように、家賃収入は下がることもあり多少の誤差は生まれますが、60〜90歳の30年間を老後として考えた時に、通算家賃収入1億円以上を得るという目標は十分に達成できます。

[図表]

(仲宗根 和徳/株式会社和不動産 代表取締役)

 ※この記事は2017年7月2日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。

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