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「防衛」関連株ラリーは短命?業績はイマイチ・・・
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

「防衛」関連株ラリーは短命?業績はイマイチ・・・

2017/9/12
・北朝鮮の建国記念日は挑発行為なし 防衛関連の思惑で上げた株は急落
・北朝鮮が核電磁波パルス攻撃に言及、電磁波シールドを手がける阿波製紙と技研興業に思惑
・業績を伴わないテーマ株は、往々にして短命に終わる
・2013年にも防衛関連株は、短期的に急騰した後、急落
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今日のポイント

・北朝鮮の脅威が高まったことを受け、先週は石川製作所などの防衛関連株が急騰。ただし、9日の建国記念日に北朝鮮が何もしなかったことから、11日は急落。

・2013年にも防衛関連株が急騰し、急落した。北朝鮮の脅威は、長期化すると思われるが、石川製作所など業績の裏づけのない防衛関連株のラリーは短命に終わる可能性もある。

北朝鮮の建国記念日は挑発行為なし 防衛関連の思惑で上げた株は急落

 11日(月)の日経平均株価は、270円高の1万9,545円でした。9月9日(土)、北朝鮮の建国記念日に、北朝鮮がミサイル発射などの挑発行為をする可能性があると心配されていましたが、何もなかったことを受けて、11日はドルが買い戻され、日経平均も反発。日経平均が反発する中、11日は、防衛関連の小型株が急落しました。

防衛関連の思惑で最近急騰した小型株の株価変動:先週の上昇率と9月11日の下落率

コード 銘柄名 11日終値 11日
下落率
先週の
株価上昇率
防衛関連で
話題の製品など
6203 豊和工業 895円 ▲ 4.4% 10.6% 小銃・迫撃砲
6208 石川製作所 2,133円 ▲ 4.2% 37.7% 機雷
7980 重松製作所 782円 ▲ 3.5% 6.3% 防毒マスク
3896 阿波製紙 830円 ▲ 15.3% 62.8% 電磁波シールド
9764 技研興業 448円 ▲ 13.0% 171.1% 電磁波シールド工事
注:楽天証券経済研究所が作成

 防衛関連の思惑で動く小型株は、日経平均とはちょうど逆の動きになりました。先週の日経平均は、北朝鮮の脅威が強まったことを受けて、417円下落。9月3日に北朝鮮が過去最大規模の核実験を行い、さらに9日の建国記念日に何か緊張を高める行動をとると懸念されたことが影響しました。一方、上記の表にあげた銘柄群は、日経平均が大きく下げる中、逆に大きく上昇。

 ところが、9日に北朝鮮が何をしなかったことを受けて、11日の日経平均が大きく反発すると、上記の表にあげた銘柄群は、逆に大きく下がりました。

北朝鮮が核電磁波パルス攻撃に言及、電磁波シールドを手がける阿波製紙と技研興業に思惑

 上記5銘柄のうち、3銘柄(豊和工業・石川製作所・重松製作所)は、軍需物資(武器や軍隊装備など)を生産し、昔から防衛関連株として、株価が動いてきました。

 一方、残り2銘柄(阿波製紙と技研興業)は、これまで防衛関連とはみなされてこなかった銘柄です。今回はじめて防衛関連として株価が動き、注目されました。

 北朝鮮が3日、EMP(核電磁パルス)攻撃の能力を有していると表明し、EMP対策への関心が高まりました。結果、EMP対策として、電磁波シールドを手がける阿波製紙と、電磁波シールド工事を手がける技研興業が買われたのです。

 EMPとは、核爆弾が爆発する際に発生する強力な電磁気でコンピューターや電子機器などを無力化するものです。もしEMP攻撃が現実に実施されれば、社会インフラに与える影響は深刻と考えられます。連想ゲームから、電磁波シールドを手がける銘柄に買いが殺到しました。

 阿波製紙と技研興業は、時価総額が小さく値動きが軽かったこと、EMP対策という新しい切り口が新鮮であったことから、先週は急騰。ところが、昨日は一転、急落しました。

業績を伴わないテーマ株は、往々にして短命に終わる

 北朝鮮の脅威は、長期化すると考えられます。ただし、防衛関連のテーマで買われた小型株は、短命に終わると考えています。投機筋が思惑で売買しているだけで、業績拡大を伴わないからです。

防衛関連の思惑で動いた株の経常利益と経常利益率:前期(2017年3月期)実績と、今期(2018年3月期)会社予想

            単位:億円
コード 銘柄名

前期
経常益

前期比 今期経常益
(会社予想)
前期比 経常利益率
(今期予想)
6203 豊和工業 -3.9 赤字転落 4.0 黒字転換 2.0%
6208 石川製作所 1.3 81.7% 0.7 -47.8% 0.8%
7980 重松製作所 0.7 -88.3% 3.4 400.0% 3.2%
3896 阿波製紙 4.0 -40.1% 5.7 43.6% 3.3%
9764 技研興業 5.9 116.6% 5.7 -3.2% 4.8%
注:楽天証券経済研究所が作成


 上記の表の経常利益率の欄をご覧ください。いずれも、利益率が5%に満たなく、利益基盤が不安定と考えられます。

 石川製作所は、もともと、段ボール印刷機や繊維機械を作ってきた会社です。祖業で利益を上げにくくなってきたことから、多角化で武器(機雷)の生産を始めました。機雷で利益を上げていますが、全社の経常利益率は低く、業績は不安定です。

 石川製作所は、北朝鮮をめぐる緊張の高まりで短期筋に買い上げられて、株価が上昇してきましたが、業績の裏づけがないので、いずれ株価は下落すると予想しています。今回の防衛関連の盛り上がりが終わる前に、売却したほうがいいと思います。

2013年にも防衛関連株は、短期的に急騰した後、急落

 2013年にも、今と同じように、北朝鮮の脅威が強まり、防衛関連株が急騰した局面がありました。2013年2月、北朝鮮が3回目の核実験を実施すると、東アジアで緊張が一気に高まりました。そのときも、石川製作所・豊和工業・重光製作所などの防衛関連株が急騰。2013年は、5月にも、北朝鮮が相次いでミサイル発射実験を行い、さらに緊張を高めました。

 ところが、株価チャートを見ると、防衛関連株は、4月に高値をつけた後、急落しています。テーマで上げた株は、短命でした。

石川製作所の月足チャート:2012年1月―2017年9月(11日まで)

 

 私は、北朝鮮の脅威は、長期化すると考えています。ただし、思惑で短期筋が買い上げた業績の裏づけのない小型の防衛関連株は、いずれ下落するリスクがあると予想しています。

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