4:期待リターンは大きい方が、リスクは小さい方がいい
これは投資の常識であり、全く当たり前のことのように思われるかもしれないが、意思決定がこのようになされないことが、年金運用のようなプロの世界でもある。
たとえば、アクティブ運用のファンドを選択する際に、「このファンドはアクティブ運用なのに銘柄数が多すぎる」とか「リサーチベースの運用なら、もっと銘柄を絞り込むのが普通だろう」といったことを言うスポンサーが少なくない。
彼らなりのアクティブ運用のイメージがあるのだろうが、十分に有望な期待リターンを伴う投資機会を多数見つけることができれば、これを無理に絞り込むよりも、有効に組み合わせることでリスクとリターンの関係をより有利に改善することができる。
もっとも、運用会社側でも銘柄数が少ない方が仕事は楽な場合もあるし、何よりも「お客様」がそれで満足してくれるのだから、「当社は厳選された○○銘柄のポートフォリオで運用します」といった口上を述べて、ファンドのセールスに勤しむ(「○○」は30とか50とか)。
かくして、力み返った幼稚な集中投資のファンドが世に出ることになる。