警戒ムードの中、日経平均はほぼ横ばい

 8月最終週だった先週の国内株市場ですが、週末30日(金)の日経平均株価終値は2万704円でした。前週末終値(2万710円)からは反落となりましたが、その下げ幅はわずか6円ですので、ほぼ横ばいです。

 米中摩擦の悪化懸念で迎えた先週の日経平均は、2万100円台まで下落する場面があるなど、2万円割れも警戒されるムードで迎えていただけに、終わってみれば「意外な堅調さ」を見せたと言えます。

 前回のレポートでは、日経平均の下値メドの一つとして、直近安値(8月6日の2万110円)を指摘していたものの、全体としては下値を探る動きありきで解説していましたので、相場展開の流れとしては想定を外してしまいました。読者の皆様にはご迷惑をお掛けしましたが、株価水準に対する見方自体に変更はなさそうです。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2019年8月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図1は前回も紹介した、昨年安値(12月26日の1万8,948円)から、今年4月26日の高値(2万2,362円)までの上昇幅に対する、フィボナッチ・リトレースメントの押し目ラインを描いたものです。

 先週の日経平均も最近の値動きパターンと同じ展開となり、週初に「61.8%押し(2万252円)」ラインのところで踏ん張って反発し、週末にかけて「50%押し(2万655円)」ラインを越えるところまで株価を戻してきました。8月の日経平均はこの61.8%押しラインと50%押しラインの範囲内での動きが中心だったことが分かります。

 今週から9月相場入りとなり、このレンジを上抜けるかが注目点のひとつとなりますが、先週末の日経平均先物取引の終値(大阪取引所で2万660円、CME[シカゴ]で2万665円)が、ちょうど50%ラインの水準ですので、レンジの上限はかなり意識されていると思われます。