運用会社の変遷

 さて、最初のインデックスファンドはウエルズファーゴ銀行によって作られ、インデックスファンドを個人投資家に販売する最初の投信会社はバンガード・グループだったことは上で説明しました。

 その後、ウエルズファーゴのインデックスファンド部門はバークレイズに売却され、さらにバークレイズのインデックスファンド部門はブラックロックに売却されました。従って現在世界最大のETFとなっているブラックロックのiシェアーズのルーツはウエルズファーゴに遡(さかのぼ)るわけです。

ETF運用資産

単位:10億ドル
出所:ファクトセット、2019年8月20日現在

 

 これに対してバンガード・グループはM&A(企業の合併・買収)によらず、一貫した経営で知られています。その社風は質素を最も重要視しており、業界で最もロー・コストに徹しています。

 最初のETFを考案したステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、ボストンの老舗銀行、ステート・ストリートの運用部門です。ステート・ストリートはカストディアン業務を通じて早くから証券・運用のビジネスに着手しており、ボストンに集まっているさまざまな投資信託・運用会社のバックボーン的な存在でした。同社の得意とするインデックス運用は、そのような背景から生まれたと言えます。

 パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1を運用しているパワーシェアーズは2002年に創業された比較的新しい会社ですが、2006年にインベスコに買収され、現在はインベスコのETFのブランドとなっています。

第5章は「特化型ETFとは?」はこちら