「パニックは政策の母」なら何を期待できる?
古くからの格言で、「相場は悲観のなかで生まれる」、「ピンチはチャンス」、「株価の大波乱(パニック)は政策の母である」などがあります。特に、株価が大きく下落する局面では、各国の首脳(為政者)や金融当局(中央銀行)が、株価波乱が景気悪化や支持率低下につながらないよう、政策的対応や政策の軌道修正を打ち出す可能性があります。
例えば、トランプ大統領は「ホワイトハウスの執務室で最初にチェックする数字は株価と自身の支持率(Job Approval Poll)の上下」との説が有力です。株価が高値圏で支持率も高めで推移している時は対中貿易交渉で強気な姿勢をとり、株価が下落して支持率も下落しそうな時は、対中姿勢をやや緩めるとの見方があります。
図表3は、米ダウ平均とトランプ大統領の支持率(全米平均)の推移を示しています。昨年9月にホワイトハウス内の「暴露本」が出版され支持率が急落した場面を除いては、確かに株価と支持率の相関性は高そうです。
実際にトランプ政権は13日、対中関税第4弾の発動時期と対象輸入品を巡り、年末商戦への影響を考慮する柔軟策を発表。当日の米国株は上昇しました。来年11月3日の大統領選挙での再選に向け、個人消費を柱とする景気や支持率の下支え意図を感じます。ちなみに、直近の支持率は平均して43.2%、不支持率(Job Disapproval Poll)は平均して53.7%です。