セカンドライフの柱である公的年金を補完する仕組みを考える
前述のとおり、多くの方にとって公的年金は引き続きセカンドライフの収入のうち大きな比率を占めることに変わりはありません。ただ、現役時代と同じ生活水準を公的年金だけに頼ることは難しいのも現実です。
一方、セカンドライフの収入は、公的年金以外にも企業に勤めている方なら退職金や企業年金が支給される場合もあります。長く仕事を続けて収入を得る方法や、退職金や資産を運用しながら取り崩すという選択肢もあります。
金融庁の報告書の影響で、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)への加入を検討する方が増えています。iDeCoは、税制優遇のメリットがある「私的年金制度」です。当初は加入対象者が制限されていましたが、2017年の法改正で対象が拡がりました。現在、企業型確定拠出年金に加入している場合に一部、制限がありますが、そうした制限も緩和の議論が進んでおり、政府も積極的にセカンドライフに備えるための「自助」を後押しする方向になってきています。
このような私的年金は公的年金を補完するものとして、合算して「所得代替率」を考えていくのが望ましいと考えます。