日経VI指数で株価変動の大きさをチェック

 ただし、冒頭でも触れた通り、今週は注目の材料が多く、株価の上振れや下振れが激しくなる展開には注意しておく必要があります。最近の東証1部の売買代金の推移を追ってみると、取引が活況とされる目安の2兆円に届かない日が増えており、先週は一度も2兆円を超える日がありませんでした。つまり、「閑散に売りなし」状態で株価が上昇していただけに、ふとしたことがスイッチとなって、思った以上に株価変動が大きくなってしまう可能性があるわけです。

 そのため、株価変動の大きさを見ていくために、日経VI指数のチャートを組み合わせていきます(下の図3)。

■(図3)日経平均(週足)と日経VI指数の動き (2019年7月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 日経VI指数のVIとは、「ボラティリティ・インデックス」を指し、投資家が将来の値動きをどう想定しているかを表しています。VIの数値が高くなるほど株価の値動きが荒っぽくなりそうと判断し、その反対であれば値動きが安定しているとみることができます。上の図3を見ても分かる通り、日経平均が上昇基調の時は日経VI指数が低下傾向にあり、日経平均が急落した際には、日経VI指数が急騰している場面が多くなっています。

 また、日経VI指数のチャートには100週移動平均線が描かれていますが、日経平均が下落した際に日経VI指数もこの100週移動平均線を上抜けてしまうと、下げ幅が大きくなる傾向が目立っています。そのため、仮に今週株価が下落した場合、日経VI指数の動きもチェックしておいた方が良さそうです。