悩んだら、基本iDeCoファースト、つみたてNISAセカンドで

 さて、ここまでの4つのアドバイスを、あなたが聞いていただけるのであれば、最後に4つのアドバイスを実行する「器」を二つ紹介しておきましょう。

 一つはiDeCo、もう一つはつみたてNISAです。

 iDeCoは年27.6万円(企業年金のない会社員の場合。公務員と企業年金のある会社員は年14.4万円)、つみたてNISAは年40万円を投資枠上限としています。そして、最初にまとめて100万円入金するようなスタートはできません。どちらも定期的な積み立てを行うことを原則としています。iDeCoは原則として毎月一度、つみたてNISAは自分で決めたスケジュールに従います(月イチ購入にしておくと管理は楽だと思います)。

 そしてつみたてNISAとiDeCoの対象商品には投資信託が含まれており、低コストで運用されるバランス型の投資信託を選ぶことができるはずです。

 これはつまり「少額からスタート」「少額積み立て」「バランス型の投資信託で運用」というアドバイスを実行することのできる器ということです。

 さらに実行することは「下がっても売らずに続ける」ことですが、これは何も手を出さず、自動引き落としを続けるだけで実現できます。

 この二つの器を使うことができれば、4つのアドバイスはすべてを満たすことができます。国もこれをねらってiDeCoとつみたてNISAという「器」を用意していると言えます。

 そして、この二つの「器」は税制優遇というメリットを受け取ることができます。国が税収減の可能性を踏まえてもなお、国民に老後資産形成を促すというのですから、乗らない手はありません。そして税収減は、そのままあなたの運用益として上乗せされるわけです。