編集長直伝のウラワザ!その3:PERのワナ
今来期も成長が続けば、PER 20倍超えでも投資適格に

 投資の際に、みなさんよく気にされるのが「PER(株価収益率)」です。神戸物産のPERは、23.1倍と日経平均予想PERを大きく上回っています(6月26日11.83倍)。

 ここだけ見ると、神戸物産は投資対象外となってしまいます。ところが、四季報では同社は今来期も2ケタ増益が続くと予想していますので、それを織り込めば、割高感は高くないと判断できます。

 TSRに限らず、ランキングを行うと、中小企業が上位に入ることが多いのです。これから投資するなら、中小企業のような、「今はまだ企業規模があまり大きくない、その分利益率が高くてこれから期待できそうだ」という会社を選んでもよいと思います。“次のテンバガーを探す!”際には、かなり有効な手段になるでしょう。

四季報と言えば、これ!解説記事の【見出し】の謎とは

――「解説記事」に気になる【見出し】が。込められた意味を教えてください!

 この太字、実は、四季報記者が全身全霊で製作する文字です。世界最短のキャッチコピーというか。一目で見て分かる表現を工夫しています。記者と編集部とがやりとりしつつ、じっくり作成しています。

【絶好調】【続伸】を見たら、要チェック

【見出し】は編集部で使い方を統一しています。【絶好調】は選んで付けていますし、【続伸】は2ケタ増益が続いている時のみに使います。他の注目ワードは【急回復】【成長】などでしょうか。【最高益】と【連続最高益】は、純利益が対象です。配当に注目した【連続増配】【記念配】などもあります。

 反対に注意が必要なのが、【大赤字】【無配】など。一目瞭然ですね。【独自増額】は、会社予想比で四季報が独自に増額していて、特に注目すべきモノに付ける見出しです。

解説記事の【見出し】一目瞭然の早わかり表

マイナスイメージ 中立的 プラスイメージ  
減収減益】
【急落】
【大赤字】
【底入れ】 【横ばい】 【絶好調】
【急回復】
【高水準】
利益が対象
【減配か】
【無配】
  【連続増配】
【復配か】
配当が対象
【大幅減額】
【下方修正】
  【独自増額】
【上振れ】
【増額】
前号との比較

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本当に心配な「危ない会社の見分け方」。『会社四季報』編集部ならではの貴重な情報の最終回です!