こんなところにも“テンバガー”が!「TSR」のスゴイ可能性

――すごすぎて、具体的なイメージが難しいのですが。

 そうですね、初めて見ると分かりにくいかもしれません。仮に5年前に神戸物産株に投資したとすると、株価上昇と配当で毎年平均60%以上の投資リターンが続き、5年間で投資額が10倍になったということです。“テンバガー”(株価が急騰して、10倍になる銘柄のこと)といっていいかもしれません。

「TSR」はあくまで過去の実績を表す指標ですが、神戸物産の場合は、営業益も5年前と比較して年平均51.71%増えています。営業利益が毎年5割ぐらい増えてきたということです。

 これも、5年前と比べて何倍になったかを考えると、8倍です。利益がそれだけ伸びているのであれば、株価も伸びているのは自然だ、と理解しやすいですね。今期予想、来期予想が同じように伸びている会社であれば、ある程度「TSR」を使って銘柄選びをしてもよいのではないかと思います。

――特集企画の【会社業績修正】も気になります!

 さすが、目ざといですね! 
 会社業績修正は、この3年間に、会社が期初計画から何回上方修正をしたか下方修正をしたか、を表しています。これで見ると、神戸物産は3年間で上方修正2回、下方修正を1回したと分かります。その下にある「経常利益÷期初会社予想」は「この3年間、経常利益は期初計画に対して平均でどの辺に着地したか」という水準を表しています。

 神戸物産は1.1倍ですから、期初計画を「割と固めに発表する会社だ」ということがわかる訳です。ここが大きくブレる会社は、期初計画をそのまま鵜呑みにしない心構えが必要かもしれません。