編集長直伝! その1:最初に見るべき「四季報4つの重要ポイント」

――もっと簡単に、これさえ見れば!のポイントはありますか?

 

『四季報』をチェックする際の最重要ポイントは、【特色】【連結事業】【海外比率】【本文記事】の4つです。各項目を見てみましょう。

【特色】に「世界首位」、「シェア○%」、「独自技術」などあると、有望と推測できます。

【連結事業】では「事業構成」をチェックしてください。カッコ内の「売上高営業利益率」は、平均と比較するのがポイントです。

【海外比率】は、これから世界で化ける株かどうか、が分かる指標です。国内から、海外に市場を広げる「グローバル企業誕生のタイミング」は、海外比率が50%を超える時です。一気にグローバル化が進むと、売り上げが急拡大することがあります。
 例えば、調味料の味の素やキッコーマンは、国内市場株と思われていますが、アジアを中心にジワジワ人気が上がって、マーケットが拡大しているようです。

【本文記事】で、会社の経営姿勢の変化に触れている際は是非、注目してください。(例:「守りから攻めに転換」など)。株価が大きく動くのは、“変化”する時です。

編集長直伝の裏技! その2:同業比較を見える化せよ!

――四季報を知り尽くしている編集長。ぜひ「ウラワザ」を教えてください。​

 ある業界にしよう…と決めても、どの会社にすればよいかと迷うはず。そこで、同業他社と比較する際には、データの“見える化”をしてみてください。例の日本電産では、比較会社の欄に三菱電機とマブチモーターを挙げています。3社それぞれの、時価総額、総資産、売上高、営業利益をグラフ化することをオススメします。

 グラフで“見える化”すると、日本電産は時価総額が大きく、投資家人気が高いのだと分かります。一方で、マブチモーターは規模が桁違いに小さく、三菱電機は売上高に対して時価総額が控えめだな、と分析できるわけです。

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株主にどれだけ利益をもたらしたか、という新しい指標の「TSR(株主総利回り)」や、四季報名物、【見出し】について。さらに株価10倍になる“テンバガーが見つかるかも”という「TSR」の使い方を大公開です。