ロボアドバイザーはAIで運用しているの?

 ロボアドバイザーは、AIで運用されているという説明をメディアや雑誌などで見ることがあります。AIは、日本語では人工知能と訳されますが、ロボアドバイザーは人工知能で運用されているのでしょうか。
 これに対する答えは、AIとは何かという考え方により変わってきます。世間一般的には、AIで運用されているというと、人間ではなく、ロボットやシステムが自らポートフォリオを考え、投資判断を下し、運用しているというイメージだと思います。このイメージから言うと、ロボアドバイザーはAIでは運用されていないと筆者は考えます。

 現在のロボアドバイザーは、システムが概ね自動で運用しているのは確かですが、あくまで人間が作ったルールに従って動いており、人間がマニュアルでやっていた作業を自動化したに過ぎません。ロボットやシステムが自律的に考えたり、学習したりしながら、運用しているわけではないのです。
 直接人間が関わらず「ただ自動的に資産が運用されていること」をAIが運用しているとするのであれば話は別ですが、AIを世間のイメージどおりのものとするならば、現時点ではロボアドバイザーはAIでは運用していないことになると思います。

 今回、ロボアドバイザーの運用手法は、年金運用スタイルのバランス用と書きましたが、ここで投資信託のバランスファンドと何が違うのかという疑問がわくと思います。次回は、ロボアドバイザーと投資信託の違いについて書いていきます。