雇用統計が強くてもFRBは「利下げ」?

 FRB(米連邦準備制度理事会)は、6月19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、政策金利であるFF金利誘導目標を据え置きました。しかし声明では、(利上げ時機を)「忍耐強く待つ」という、これまであった文言が(経済状況に応じて)「適切に行動する」に置き換えられました。近い将来の利下げを強く示唆する声明だと受け取られています。

 マーケットでは、今回の雇用統計がたとえ予想を上回る良い結果であったとしても、FOMCが今月利下げすると考えています。FRBの考えは、経済が悪くなってから慌てて利下げするより、経済が強い(弱くない)うちに、利下げをするほうが、景気拡大を持続させるうえで効果的と考えているからです。リセッションを「予防する」利下げが、米経済に中期的にポジティブな影響を与え、それがドル高に通じることは、過去の例からも明らかです