プロジェクトF・ファンドの挑戦者
続いて、国内株式部門の最優秀賞受賞ファンド「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド」をラインアップする、<購入・換金手数料なし>シリーズを生み出した責任者、同社常務取締役執行役員の上原秀信さんに、誕生秘話を独占インタビューです。
徹底したコスト追求でインデックスファンドを身近に
リーマン・ショックのただ中で
金融業界でキャリアを重ねてきた上原さんが、ニッセイアセットマネジメントに投資信託営業の責任者として入社したのは2008年10月。折しもリーマン・ショック直後で、世界中の金融市場が混乱し、世の中の投資熱が冷め切っていたときだった。
「当時、あらゆる金融資産の時価が暴落していました。どこも不毛で勝機はないように見えました。それでも手をこまねいているわけにはいきません。そこで、既存のファンドを見直すことから始めました」
最初に取り組んだのが、DC(確定拠出年金)専用だった「ニッセイ日経225インデックスファンド」を、個人投資家向けファンドとして売り出すことだった。それまで、企業型の確定拠出年金制度の中でしか投資することのできなかったこのファンドを、ネット証券の一般投資家にも解放したのだ。当時はまだ、ネット証券の市場での存在感は今ほど大きくなかったが、上原さんはネットチャネルの将来に大きな可能性を見出していた。
結果は吉と出る。もともとDC向けで信託報酬が安かったこともあり、「ニッセイ日経225インデックスファンド」はネット証券の個人投資家の間で、隠れた人気商品となった。