週明け朝(9月4日)の市況

北朝鮮の核実験を受けて、週明けのドル/円は円高方向に窓を開けてオープン。109.50円前後でいったん下げ止まり、東京時間朝7時の時点では、109円台後半まで戻しています。しかし今後の情勢は予断を許さず、各国の対応をにらみながら、神経質な動きが続くことになりそうです。

前日(9月1日)の市況サマリー

ドル/円:米雇用統計は予想より悪いが、ドルは急上昇

 9月2日に発表された8月の米雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が+15.6万人と、市場予想の+18.0万人を下回りました。失業率は4.4%で、前月の4.3%からやや上昇。また平均労働賃金は前月比+0.1%で、予想、前回実績を共に下回る結果となりました。

雇用統計発表直後のマーケットはドル売りで反応。(チャート1)

 ドル/円は、110円台前半から109.56円まで急落しましたが、すぐに買い戻しが入りました。その後発表された8月製造業ISM(供給管理協会)が強かったこともドル買いの安心感になり、110.47円まで反発。そのまま110円台を維持して、終値は110.25円(前日比+0.302円)でした。今回の雇用統計は、NFPの増加が鈍化、失業率も上昇、平均労働賃金は下がるという結果でした。とはいえ、FOMC(連邦公開市場委員会)のメンバーが落ちこむほどかというと、そうではありません。予想より少ないながらも、雇用は堅調に伸びています。FOMC議事録によると、一部のメンバーからは、雇用者数増加の過熱を心配する声もでていたようです。むしろこの程度のほうが、ちょうどいいのかもしれません。

 今日のチャートポイント 

レジスタンス

100.47

米8月雇用統計後の高値(9月1日)

サポート

109.56

米8月雇用統計後の安値(9月1日)

 

ユーロ/ドル:ユーロ買いに安心感

 この日のユーロ/ドルは、ノボトニー・オーストリア中銀総裁が、「ECB(欧州中央銀行)は、ユーロ高に過剰に反応すべきでない」などと、ユーロ買いに安心感を与える発言に支えられ、1.19ドル台前半でしっかりと推移していました。雇用統計発表直後には、1.1979ドルに急上昇。しかし、「ECBの緩和縮小計画の発表は、12月になる」との観測記事によって、1.1848ドルまで急速に下落しました。今週のECB会合で、緩和縮小の発表があることを期待して、マーケットはユーロ買いを進めていました。(チャート2)

ポンド/ドルも、雇用統計直後に約2週間ぶりの高値をつけましたが、その後は伸び悩みました。

 今日のチャートポイント 

レジスタンス

1.1979

米8月雇用統計後の高値(9月1日)

サポート

1.1848

米8月雇用統計後の安値(9月1日)