※本記事は、2015年4月3日に公開したものです。

 筆者は、一般の個人投資家に対してインデックス運用の利用を勧めることが多い。今回は、インデックス運用について、特にその長所を、初心者の読者を念頭に置きつつ整理しておこう。

 実は、かつて、筆者は、自分で個別の株式を選んで十数銘柄以上の銘柄に分散投資した自家運用ポートフォリオを勧めることが多かったが、

(1)近年のインデックス運用商品の改善、

(2)ETF(上場投資信託)の普及、

(3)多くの投資家にとって株式ポートフォリオの運用が技術的に難しいこと、

などの理由から、リスク資産運用部分については「内外の株式のインデックス・ファンドに投資すればよい(比率は5:5または海外6:国内4など)」とアドバイスする場合が多い。

 個別株でポートフォリオを作って運用することについては、

(A)分散投資でリスク低減が十分可能だし、

(B)継続的な手数料がかからない有利さがあるし、

(C)(面白い人にとっては)それ自体が面白いゲームでもある、

という理由から、それ自体が十分合理的なやり方だし、「できれば、多くの人にやってほしい」と思っているのだが、「運用が仕事でも趣味でもない」という多くの人にとってはいささか面倒なのだろうと判断している。

 インデックス運用の長所は、[1]手数料が安い、[2]分かりやすい、[3]負けにくい、の3点に集約できる。