今週の日経平均は反発へ。ただ、本格的な上昇トレンドに入る条件はまだ整っていない

 対メキシコ関税をぎりぎりで回避したことを好感して、今週の日経平均は反発が続くと考えています。

  ただし、日本株が本格的な上昇トレンドに入るための条件はまだ整っていません。以下、2つの不安が残っています。

1.    米中貿易戦争・ハイテク戦争が激化する不安
2.    米利下げがあった時に円高(ドル安)が進む不安

 メキシコとの交渉術を見る限り、中国との交渉でも、トランプ大統領はなんらかの「落としどころ」を用意していると考えられます。米中貿易戦争がエスカレートして、米景気後退を招くことになるのは、避けるたいはずです。ただし、中国との対立・覇権争いは、メキシコとの対立以上に根が深く、簡単には解決に向かわないと考えられます。

  いずれにしろ、日本株は、長期投資で「買い場」を迎えていると判断しています。日経平均は、以下のチャートをご覧いただくとわかる通り、近年、景気の転換点で「二番天井」「二番底」をつけてトレンド転換するパターンを繰り返しています。

日経平均株価の推移:2015年1月5日~19年6月7日

出所:楽天証券経済研究所が作成

 日経平均は、貿易戦争への不安などから二番底を模索しつつありますが、ここは長期投資で良い買い場と判断しています。

その理由は、3つあります。

【1】日本株が配当利回り・PER(株価収益率)などの株価指標から見て割安であること
【2】日本企業の財務・収益基盤が堅固になってきたこと
【3】世界景気は2019年に悪化・20年に回復と予想していること

 

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